Wednesday 14 September 2016

アパタイト


イギリスに留学して間も無い頃、
語学学校の先生が授業中に、
「アパタイト」という単語を連発していた。

何とも真面目な顔で
何度も何度も「アパタイト」って言うんだけど、
歯磨き粉の話をしている様子ではない。

でも何回も言うので、
何回も「やっぱアパタイトって言ってる!」と思ってしまった私。
確信が無いなら黙っていればいいのに、
「日本ではアパタイトっていう歯磨き粉があるよ!」
とついつい言ってしまった。

先生は、
「アパタイトって歯磨き粉があるの!?
へぇー、それは見てみたいかも。」
と本当に興味ありそうだった。

実際、アパタイトの歯磨き粉の名前の由来も知らなかったし、
何がそんなに歯磨き粉の名前だとおかしいんだろう。
と不思議に思っていたら、
先生の話の中に「白人」「アフリカ」という
私でも聞き取れる簡単な単語が出てきた。

ん?白人…アフリカ…アパタイト…アパタイト…
「アパルトヘイト」じゃん!

と、やっと完全なる聞き間違いに気付いた時には、
真剣な話なのに、
東幹久を思い浮かべながら
歯磨き粉があるのは嘘じゃなくて本当だよ!
と力説しすぎてしまった後だったので、
もはや日本にそういった歯磨き粉があるという体で
授業の終わりを待つしかなかった。
(説明する英語力も無かったけど)

とんでもない聞き間違い。
しかも歯磨き粉というものは
歯を白くする役割もあったりする訳で、
完全な勘違いなのに、こじつけようと思えば
アパルトヘイトとこじつけられてしまう。

あの先生が
まだ日本にそんな歯磨き粉があると勘違いしているのか、
後から来たレベルの高い日本人の生徒に、
「そんな歯磨き粉はありません!誰ですかそんなデタラメ吹き込んだの!」
って言われてたらどうしよう。

もし誰かそんな勘違いをしているイギリス人に出会ったら、
是が非でも訂正してあげて欲しい。

ということで、
アパタイト…Apatite
アパルトヘイト…Apartheid

あぁ、完全に"R"とか"H"とか母音とか聞き取れてませんね。
フランスか!
みたいな。
そんな思ひで。







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